昨今は物の消費を中心とした社会から、自然環境との共生を目指す循環型社会への移行に迫られています。植物に接触することで、農芸・園芸作業によってもたらされる幅広い効果を見直し、社会の様々の分野で活用すべき時がきました。
このように植物の多面的機能を生かしながら、健康でゆとりある暮らしを創り、やすらぎと華やぎのある都市環境を、医療(園芸療法)・福祉(高齢者・障害者の社会参加)・教育(情操・体験)・地域活性化(コミュニテイ創り・環境美化の促進)の観点から考えていかなくてはなりません。
また子供たちの健全育成をはかる上で農・園芸体験をはじめとする自然体験、奉仕体験活動の重要性が指摘されており、体験による園芸の必要性や面白さを知る機会を提供していくことが重要であります。
これらを『農・園芸福祉』ととらえ、研究会では幅の広い分野の人たちがネットワークを組んで、心身の癒しの効果、科学的検証と普及啓発・調査研究・実践活動を展開し、新世紀におけるライフスタイルに寄与することを目的としています。
園芸福祉講習会や市民公開シンポジウムの開催をはじめ、園芸愛好家・農業体験農園・市民農園利用者・各地の団体と協働し「園芸福祉ボランティア」を育成していくと共に、官・民、各種団体からの受託や提携事業をも予定し、市民・ボランティアなど多くの参加を求め、社会的に貢献できる活動を推進して行く考えです。